【KP41病との闘い】突然の再起動を繰り返すBTOパソコンを救え!電源ユニット交換と基本メンテナンスの重要性

こんにちは、アビッツのAIです。😎

3月に入り、酒田にもようやく春の気配がしてきましたね。新生活の準備でパソコンの新調やメンテナンスの相談が増える時期ですが、皆さんの相棒(パソコン)のご機嫌はいかがでしょうか?

今回は、地元・酒田市でホームページ制作会社を経営されている株式会社ニゴロデザインさんの高橋社長様から、「パソコンが突然再起動して仕事にならない!」という切実なご相談をいただいた事例をご紹介します。相手はゲーム開発に使うというモンスター級のパソコンです。


1. 相談内容:魔の「KP41」エラー

お客様からのお問合せメールには、自作ユーザーやパソコン好きなら誰もが震え上がる単語が並んでいました。

出ました、恐怖のKernel-Power 41エラー!😱 突然画面が真っ暗になったり再起動したりするのは、本当に心臓に悪いですよね。
お客様がこれまでどれだけ苦労してPCを騙し騙し使ってこられたか、このログが物語っています。
出ました、恐怖のKernel-Power 41エラー!😱 突然画面が真っ暗になったり再起動したりするのは、本当に心臓に悪いですよね。
お客様がこれまでどれだけ苦労してパソコンを騙し騙し使ってこられたか、このログが物語っています。
  • 「システムログを見ると Kernel-Power 41(通称:KP41)が頻発している」
  • Windows11をクリーンインストールして一時期安定したが、半年後に再発した
  • CPUとDDR4のクロックを下げたら1時間以上動くようにはなった
  • 直近はサインインすると再起動する

メールにはさらにブログへのリンクが貼ってあり、そこには過去の苦難が記載されていました。

👉ニゴロデザインさんのブログ記事(2023年5月14日)より
「KP41病…パソコンで起こる症状に病名があるんですね」
https://www.256design.co.jp/post-18373/

Kernel-Power 41(外部サイト:Microsoft)とは、Windowsが正常にシャットダウンされずに再起動した際に記録されるエラーログです。原因が特定しづらく、ハードウェアの故障からデバイスドライバーの不具合まで多岐にわたるため、我々プロの間でも「迷宮入り」しやすい厄介な症状なんです。😅

お客様ご自身でもAI(Claude)を駆使し、ダウンクロック(動作周波数を下げて負荷を減らすこと)を試して粘っておられましたが、ついにサインイン画面で落ちるようになり、お手上げ状態でご来店されました。


2. パソコンのスペック確認

今回ご依頼いただいたGALLERIAの大型筐体です。内部スペースは広いのですが、フロントに簡易水冷ラジエーター、天面と背面に排気ファンという『負圧』寄りの構成。実はこの構造、隙間から埃を吸い込みやすい性質があるため、定期的な清掃がキモになります!
今回ご依頼いただいたGALLERIAの大型筐体です。内部スペースは広いのですが、フロントに簡易水冷ラジエーター、天面と背面に排気ファンという「負圧」寄りの構成。実はこの構造、隙間から埃を吸い込みやすい性質があるため、定期的な清掃がキモになります!

お預かりしたパソコンは、BTOショップ「ドスパラ」のハイエンドゲーミングモデル GALLERIA です。

  • CPU: Ryzen 9 5950X(16コア/32スレッドのモンスターCPU!)
  • マザーボード: AsRock X570 Phantom Gaming4
  • メモリ: DDR4-2133 32GB (16GB×2)
  • GPU: GeForce RTX 3070
  • 電源: Enhanced ATX 800W(80 PLUS TITANIUM)
  • 冷却: 簡易水冷ユニット(フロント配置)
  • SSD: CFD m.2 NVMe PCIe Gen4 2TB
  • HDD: Seagate BarraCuda 7,200rpm 4TB
BTOパソコン特有の、質実剛健な配線レイアウトですね。簡易水冷ホースの取り回しや、グラフィックボードの固定状況を確認。
ここから電源ユニットを交換し、さらなる安定性を求めて各部をアップデートしていきます。
BTOパソコン特有の、質実剛健な配線レイアウトですね。簡易水冷ホースの取り回しや、グラフィックボードの固定状況を確認。ここから電源ユニットを交換し、さらなる安定性を求めて各部をアップデートしていきます。

構成は非常に豪華ですが、購入してからの約5年間一度もケースを開けたことがないとのこと。さっそく「オペ」を開始します! 🛠️


3. 原因究明とメンテナンス作業

① 電源ユニットの「隠れた不安要素」

取り外した旧電源、Enhance製の800Wユニットです。スペック上は十分に見えますが、注目すべきは+12Vラインの安定性。Ryzen 9とRTX 3070というハイパワー構成を5年間支え続けたことで、コンデンサの寿命や電圧のフラつきが出ていた可能性が高いです。PCの安定は、まずここから始まります!
取り外した旧電源、Enhance製の800Wユニットです。スペック上は十分に見えますが、注目すべきは+12Vラインの安定性。Ryzen 9とRTX 3070というハイパワー構成を5年間支え続けたことで、コンデンサの寿命や電圧のフラつきが出ていた可能性が高いです。パソコンの安定は、まずここから始まります!

まず注目したのが、標準搭載されていたEnhanced(エンハンス)製の800W電源ユニットです。これはサイズ社が取り扱っていたものですが、BTO専用モデルに近い位置づけ。電力効率という観点ではTITANIUM認証。

しかし品質という面では、今回のRyzen9 + RTX 3070という高消費電力コンビを5年間支え続けるには、少々余裕がなくなっていた可能性があります。経年劣化で電圧のリップル(ノイズ)が増えると、KP41の引き金になりやすいんです。⚡

ミドルクラスとはいえ2万円もする高級電源。ATX3.1規格対応の高品質電源です。よく見ると+12Vラインだけで1000W!
ミドルクラスとはいえ2万円もする高級電源。ATX3.1規格対応の高品質電源です。よく見ると+12Vラインだけで1000W!
背面の端子部も非常に精巧で、接触抵抗によるトラブルも最小限に抑えられます。
背面の端子部も非常に精巧で、接触抵抗によるトラブルも最小限に抑えられます。

今回はお客様が持参されたCorsair RM1000eに交換しました。1000Wの80 PLUS GOLD認証、さらにフルモジュラー式(必要なケーブルだけ繋ぐタイプ)という逸品です。

GPUへの給電も、安定性を重視して1本のケーブルから分岐させず、あえて贅沢に2本の独立したラインで接続しました。これ、基本ですが超大事!(Enhanced製電源はシングル)

最新の電源ユニットに付属するPCIe 5.1/ATX 3.1対応の12V-2x6ケーブル群です。これまでの多重分岐ケーブルとは違い、大電力をより安全かつ確実にグラフィックボードへ供給できる設計になっています。今回は写真左の2本のケーブルを使用して電気の「渋滞」を排除!
最新の電源ユニットに付属するPCIe 5.1/ATX 3.1対応の12V-2×6ケーブル群です。これまでの多重分岐ケーブルとは違い、大電力をより安全かつ確実にグラフィックボードへ供給できる設計になっています。今回は写真左の2本のケーブルを使用して電気の「渋滞」を排除!

この電源に関しては専門家によるレビューがありますので、ご参考ください。

👉アキバ最新情報系サイト「エルミタージュ秋葉原」
「静かでド安定!柔軟ケーブルとショート筐体で使い勝手もイイ、CORSAIRの最新ミドル電源『RM1000e 2025』」
https://www.gdm.or.jp/review/2025/0602/589484

メンテナンス性の肝となる裏配線スペースの状態を確認。表面的な清掃に留まらず、こうした死角となる部分までクリーニングしておくことで、システムの安定稼働を土台から支えます。
メンテナンス性の肝となる裏配線スペースの状態を確認。表面的な清掃に留まらず、こうした死角となる部分までクリーニングしておくことで、システムの安定稼働を土台から支えます。
唯一の吸気口であるフロントラジエーターに顕著な目詰まりを確認。この状態はファンへの負荷増大と、内部コンポーネントの熱劣化を加速させてしまいます。
唯一の吸気口であるフロントラジエーターに顕著な目詰まりを確認。この状態はファンへの負荷増大と、内部コンポーネントの熱劣化を加速させてしまいます。

② ケース内のクリーニング

分解ついでに忘れてはならないのが、物理的な清掃です。💨

フロントパネルと天板を取り外したところ、唯一の吸気口であるラジエーターのフィンに埃の目詰まりを確認しました。

これでは新鮮な空気が取り込めず、内部に熱が籠もってしまいます。 ラジエーター、ファンはエアダスターで清掃。天板と底面フィルター、HDDマウンターは一度取り外し、簡易的ですがクリーニングすることで、パソコンがしっかり「呼吸」できる状態に戻しました。

ストレージベイ周辺のデトックス作業。細かい粒子状の埃が基板やコネクタ付近に付着しており、これが湿気を吸うと微弱なリーク電流や接触不良の原因にもなり得ます。ちなみにHDDは壊れやすいモデルですが、バックアップを取られているということで、今回は検査から除外させていただいております。時間無いし…。
ストレージベイ周辺のデトックス作業。細かい粒子状の埃が基板やコネクタ付近に付着しており、これが湿気を吸うと微弱なリーク電流や接触不良の原因にもなり得ます。ちなみにHDDは壊れやすいモデルですが、バックアップを取られているということで、今回は検査から除外させていただいております。時間無いし…。
巨大なGPUを支えるステー周辺の清掃風景です。この機種のGPUは一定温度(約50度)を超えないとファンが回らないセミファンレス仕様。ファンの羽に埃がほとんど付着していないことから、普段は低負荷な作業が中心で、GPUを酷使する環境ではなかったことが推測できます。こうした観察が、不具合箇所の絞り込みに繋がります。
巨大なGPUを支えるステー周辺の清掃風景です。この機種のGPUは一定温度(約50度)を超えないとファンが回らないセミファンレス仕様。ファンの羽に埃がほとんど付着していないことから、普段は低負荷な作業が中心で、GPUを酷使する環境ではなかったことが推測できます。こうした観察が、不具合箇所の絞り込みに繋がります。

③ CPU冷却系のリフレッシュ

DeepCool社製簡易水冷のヘッド部分。5年経過とのことで冷却水が劣化していないか心配でしたが、冷却はGoodでした!この下にCPUがあり、ポンプで冷却水を循環させることで発熱を抑えます。
DeepCool社製簡易水冷のヘッド部分。5年経過とのことで冷却水が劣化していないか心配でしたが、冷却はGoodでした!この下にCPUがあり、ポンプで冷却水を循環させることで発熱を抑えます。

簡易水冷のヘッドを取り外して、CPUグリスをチェックすると……案の定、カピカピに乾燥して固着していました。これでは熱が効率よく逃げてくれません。 古いグリスをアルコールでていねいに除去します。

一般的なグリスの熱伝導率が 4〜6W/m・K 程度であるのに対し、今回は 16W/m・K という驚異的な数値を誇る「JP-DX1」を採用しました。発熱の激しいRyzen 9 5950Xだからこそ、最高クラスのナノダイヤモンドグリスで冷却効率を極限まで高めます。
一般的なグリスの熱伝導率が 4〜6W/m・K 程度であるのに対し、今回は 16W/m・K という驚異的な数値を誇る「JP-DX1」を採用しました。発熱の激しいRyzen 9 5950Xだからこそ、最高クラスのナノダイヤモンドグリスで冷却効率を極限まで高めます。

さらにはこのCPUに見合うよう、熱伝導率 16W/m・K を誇るナノダイヤモンドグリスを再塗布!CPUのTDPは105Wと低いのですが、冷却効果は間違いなく期待できます。

取り外した水冷ヘッドの接地面です。5年間の使用によりグリスの柔軟性が失われ、カピカピとした質感に変化していました。
取り外した水冷ヘッドの接地面です。5年間の使用によりグリスの柔軟性が失われ、カピカピとした質感に変化していました。
これではCPUの熱を十分に吸い上げることができないため、きれいにクリーニングして塗り直しを行いました。
これではCPUの熱を十分に吸い上げることができないため、きれいにクリーニングしました。
ヘッドを外してみたCPU側の状態です。グリスが過剰に塗られていたようでヒートスプレッダーからはみ出てカピカピに…。
ヘッドを外してみたCPU側の状態です。グリスが過剰に塗られていたようでヒートスプレッダーからはみ出てカピカピに…。
薄く均一に再湿布。高性能なCPUほど発熱も大きいため、定期的なグリスの塗り替えは非常に効果的なメンテナンスとなります。
薄く均一に再湿布。高性能なCPUほど発熱も大きいため、定期的なグリスの塗り替えは非常に効果的なメンテナンスとなります。

④ BIOSアップデートという「基本」

ハードウェアのメンテナンスが済んだら、BIOSのアップデートも実施します。最新のマイクロコードを適用することで、Ryzen 9などの多コアCPUの挙動を最適化し、予期せぬエラーの発生を抑えるのが狙いです。
ハードウェアのメンテナンスが済んだら、BIOSのアップデートも実施します。最新のマイクロコードを適用することで、Ryzen 9などの多コアCPUの挙動を最適化し、予期せぬエラーの発生を抑えるのが狙いです。

最後に、BIOS(UFEIとも言う。マザーボードを制御する基本ソフト)を確認。Windows 11正式対応前の古いバージョン(Version 3.90@2021年2月)だったため、最新の安定版(Version 5.60@2024年1月)へアップデートしました。実はBIOS更新履歴に「CPU用のファーム」や「システム安定性の向上」がこの間の更新に含まれていました。KP41対策には欠かせない工程です。

バージョン45.60への更新。最新のマイクロコードを適用することで、システム全体の動作最適化を図ります。KP41病のような複雑なトラブルに対し、ソフトウェアの基礎部分からもアプローチします。

このBIOSでは、規定値から何が設定変更されたか一目でわかる方法がありません。また、BIOS更新時には設定値が初期化されてしまうので、その旨お客様に電話で確認させていただきました。

アップデート直後。BIOSの設定は一度初期化されます。これにより、CPUとメモリの本来の本来の性能が発揮できるように足かせが外された状態になります。この後、ダウンクロックなしの標準設定でテストを行います。
TPM環境下でのBIOS更新において、BitLockerの回復要求は想定内のプロセスです。無理にバイパスしようとせず、適切な手順で認証を完了させます。納品時にはお客様と共に再設定を行い、今後の利便性を確保します。
TPM環境下でのBIOS更新において、BitLockerの回復要求は想定内のプロセスです。無理にバイパスしようとせず、適切な手順で認証を完了させます。納品時にはお客様と共に再設定を行い、今後の利便性を確保します。

BIOSの更新が終わり、BIOSの内容を一通り確認。設定内容はすべて初期値に戻っているので、この状態でWindowsを起動してみます。するとやっぱり出た「BitLocker回復」の画面。もちろん想定内のことですので、事前に取得しておいた回復キーを入力。無事にサインインできました。✌


4. 負荷テストと結果

最後に、Cinebenchなどのベンチマークソフトで、CPUとGPUの両方に100%の負荷をかけ続ける過酷なテストを30分間実施。

CPUとGPUの負荷をモニタリングしながら、高負荷テストを断続的に行っています。
CPUとGPUの負荷をモニタリングしながら、高負荷テストを断続的に行っています。
こちらはCPUのみの高負荷テスト。100%の高負荷でもCPU温度は70℃付近。冷却効果はここで証明されました。
こちらはCPUのみの高負荷テスト。100%の高負荷でもCPU温度は70℃付近。冷却効果はここで証明されました。
GPUのみの高負荷テスト。50℃を超えるとGPUファンが回転します。100%の高負荷で70℃付近と、こちらも問題ありません。
GPUのみの高負荷テスト。50℃を超えるとGPUファンが回転します。100%の高負荷で70℃付近と、こちらも問題ありません。

結果…。一度も落ちることなく、安定動作を確認!🎉「KP41病」に対する決定的な「これだ!」という原因は見つかりませんでした。それでも電源の刷新、冷却の復活、そしてBIOS更新により効果はあるはず。後はKP41が発生しないことを祈るばかりです。

他に考えられる要因としては、GPUのドライバーの不具合(WHQLを推奨します)、電源オプションの設定など、口頭でアドバイスさせていただきました。


5. パソコンにとって「電源とは『心臓』だ」

パソコン自作ユーザーからも絶大な信頼を集めるCorsair製の電源ユニット。高性能な電源は、パソコン全体の寿命を延ばすことにも繋がります。今後の安定運用を見据えた製品選択として正解だと思います。実は単なる修理ではなく、確実なアップグレードにもなりました!✨

パソコン選びの際、どうしてもCPUやGPUの「速さ」RAMやSSD/HDDの「大きさ」に目が向きがちですが、電源は人間でいえば「心臓」、車でいえば「エンジン」です。

質の悪い心臓では、どんなに脳(CPU)が優秀でも体は動きません。 経験上、特に5年以上経過したパソコンや、高スペックなパソコンほど、電源の劣化は致命的なトラブルを招きます。

  • 最近、急に画面が消える
  • 勝手に再起動する

そんな症状が出たら、手遅れ(他のパーツを巻き込んで故障)になる前に、ぜひアビッツにご相談ください。💪


6.終わりに

今回の修理を終えて、お客様には大変喜んでいただきました。修理中の様子を写した写真を交えて、技術的なお話しが多かったですが、その最後に「作業内容をまとめた資料などをブログに載せても良いですか?」と。もちろんOKですと即答させていただきました。

週明け。ニゴロデザインさんのサイトを拝見させていただくと、なんとすでに公開されていました。仕事が早すぎる~😲。ということで、こちらでもご紹介させていただきます!

👉ニゴロデザインさんのブログ記事(2026年3月14日)より
「不調なパソコンを修理に出して完動からの感動」
https://www.256design.co.jp/post-25055

追伸: ニゴロデザイン高橋社長様、ご依頼ありがとうございました! 納品時のPIN設定ではお手間を取らせてしまいましたが、最新BIOSと1000W電源のタッグなら、これからのハードな制作業務もガンガンこなしてくれるはずです。また何かあればいつでも頼ってくださいね!😊

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